2017/10/30 15:51

高知は台風一過の青空。

清々しい気分で、本日も制作に打ち込んでいます。
急に寒くなりましたので、風邪をひかないよう気をつけてくださいね。


さてさて、


前回のブログに引き続き、西陣織長財布について。
今回はこまごまと仕様について、ご紹介したいと思います。




内装にも正絹西陣織を使用した、とても贅沢な仕様です。
(痛みやすい側面のジャバラとコイン用のファスナーポケット内部は、シャンタン生地を用いています。)

容量があるので、たっぷり入るお財布をお探しの方にもおすすめ。
一目で内部全体が見わたせるので、お札やレシート等も整理しやすいかと思います。




お財布の縁の網代かがりは、細かな手縫いによる仕上げ。
繊細なディテールが目を引くようで、持ち歩いていると、よくお褒めの言葉をいただきます。
手仕事の味わいが伝わるようにと、心を込めてひと針ひと針制作しています。





ゆがみやすく繊細な絹織物を、ビシッと狂いなく仕上げるのは、まさに腕の見せ所。
裂地の美しさを最大限にお伝えしたいとの一心で、日々作業台に向かっています。

岱﨑(やまざき)織物さんの復元織は、正倉院裂・古代裂・名物裂といった古裂を独自に再現された織物。
過去のつくり手に思いを馳せながらのものづくりは、まるで歴史の大きな流れの中をたゆたうようです。


『錦はボロとなり、ボロはまた錦に復元することができる。この循環のなかに文化は進展し、その進展のなかに過去の歴史も現在の生産も生まれ、また未来も幻のように浮ぶのである。』

龍村 平蔵「錦とボロの話」より